@article{oai:nfu.repo.nii.ac.jp:00002344, author = {柿沼, 肇 and Kakinuma, Hajime}, journal = {現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要, Journal of culture in our time}, month = {Mar}, note = {わが国で「教育運動(史)」の研究が取り組まれるようになったのは「戦後」になってからのことである.「戦前」の「天皇制絶対主義教育」体制(『帝国憲法』・『教育勅語』体制)の下ではその研究を行うのは「不可能」であった.そういった研究が成立する余地が全くなかったのである.1950年代の末葉,新教懇話会が発足してからその活動が本格的・組織的に開始されるようになる.その会は,1930年代に展開された「新興教育運動」に直接・間接に携わった経験を持つ者たち(「当事者」)が1957年の暮れに「忘年会を兼ねたSK(新興教育)同窓会」を開いたことから始まる.それを契機にして,各人が体験した事実や知っている事実を出し合い,また持っている資料を出し合って,集団的に検討し,運動の実態・実像を明らかにしようというのが,「懇話会」発足の狙いであった.翌58年1月,正式に「会」としての活動が始まる.以後毎月1回例会(月例会)が開かれ,メインとなる当事者の報告や,研究者の調査報告などをもとに活発な討議がなされたのであった.また機関誌『新教の友』が発刊され,そこでは月例会の報告だけでなく他の貴重な論稿が掲載されている.また「資料リスト」や「ハガキ通信」欄などが設けられ,会員相互の結びつきを深め,広めていく上で役立つような工夫もなされている.薄手ではあったがその内容は実に充実したものであった.1960年代に入ると「会」の活動は一層前進する.その代表的な一つは「新安保条約」の締結に反対する国民の闘いと呼応する形で近代日本に生起した教育運動を「通史」として構成した『日本教育運動史』(全3巻)を編集・刊行したことである.また,その後取り行われた『新興教育複製版』(全9巻)の刊行は,研究にとって最も基礎となる「原資料」(第一次資料)を多数復刻・頒布したもので,その後の研究の発展に非常に大きな貢献をなすものであった.さらに,「民間研」と共同して公開開催された三回の「『新興教育』シンポジウム」は折々の研究成果とその後の「課題」を内外に示す重要な機会となった.こういった活動を軸にして10年間にわたって精力的な活動を展開した新教懇話会は,内外の期待に応え,一層の飛躍を図るために1968年8月の「総会」で「教育運動史研究会」へと改称・改組することを決定する.拙論の次回は,この「教育運動史研究会」になってからの「教育運動史研究」の進展に焦点を当てることになる., 新興教育運動,新教懇話会,「証言」とその組織化,『日本教育運動史』,『「新興教育」複製版』,新興教育シンポジウム}, pages = {17--43}, title = {教育運動史研究の歩み(中)新教懇話会の研究活動─「証言」の蓄積・組織化と資料(史料)の発掘・蒐集・公開・普及─}, volume = {131}, year = {2015}, yomi = {カキヌマ, ハジメ} }